2018/05/29

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「子どもから大人まで気軽に楽しめる
クオリティの高いエンターテイメントを」
~ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」公演30周年を振り返って~
月並みですが、「継続は力なり」とはよく言ったものだ、と。辛い時期もありましたよ。
観客が入らないこともありました。でも、頑張り続けることには意味があり、必ず実るものがある。
芸事はみんな同じ。『ピーターパン』に携わって、教えられた気がします。今となればライフワークの様になりましたが、まさかこんなに続くとは思ってもみませんでした。やればやるほど、こちらがはまってしまった。
ホリプロも『ピーターパン』で舞台制作に縁ができて、今はストレートプレイまで手がけるようになりました。
今では親子三代というお客様もいらっしゃいます。おばあさまとお母様とお子様が一緒に来場なさる。
こうやって、自分が小さい頃に観て感動したものを、代々受け継いでいくことが、『ピーターパン』で実現されているのは、心から嬉しいことです。
子供に面と向かって正しいことを伝えようとお説教しても、なかなか受け入れられなかったりしませんか?
『ピーターパン』を観て頂ければ、子どもたちにお説教をするより、はるかに効果があると思います。明るく陽気なストーリーの中には、親から子に伝えたいメッセージが、たくさん入っています。家族の大切さ、仲間との絆、冒険心、チャレンジ精神などなど…。一見、楽しく面白い娯楽大作に見えますが、その奥深さは計り知れません。よく「良薬は口に苦し」と言いますが、『ピーターパン』の場合は「良薬は口に甘し」。楽しみながら、人間の社会生活の中での大事な要素を沢山経験することができます。
また、生の舞台を観る経験は、人間の幅を広げる大事な要素です。今は、テレビや映画、ゲームなど、バーチャルな娯楽がたくさんあり、それらは複製して大量生産できるものです。
しかし生の舞台は、今ここにしかない。明日また公演があるとしても、ストーリーは同じでも、全く違う。
僕は映像やゲームが発達すればするほど、生の舞台も必要になると思っています。
テクノロジーが発達すると、逆にアナログなものに惹かれていく。人間は無意識にバランスを取る生き物ですから。
舞台から来るある種の波動と観客のそれに応えるリアクションの波動。そのコミュニケーションは何物にも代え難く、人間にとって非常に大事なものに違いありません。
生の感動は、豊かな人間性を作り上げていくためのエッセンスです。だから百聞は一見にしかず!
是非劇場に足をお運びください。
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