2018/05/29

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医療従事者の接遇心構え
Q.川西秀徳先生が考える医療従事者の接遇心構えを教えてください。
A.良い接遇は、患者様とそのご家族の皆様に気持ちよくサービスを受けて頂くために必要な最低限のマナーであると考える。これを満たすために、(1)挨拶、(2)表情、(3)身だしなみ、(4)態度、(5)言葉遣いの5つの基本が必要となる。
即ち信頼と好感の持てる対応を身に付けることである。暖かい笑顔で自分から先に挨拶をし、謙虚な礼儀正しい態度で対応しなければならない。私たちは患者様とそのご家族、ボランティア、地域関連業者などいろいろな方と接することが多い職場あるので、社会人として基本的な事を身に付けるのが接遇である。これらは、患者様中心の医療ケアにおける共通価値観が必要であり、責任感があること、共感すること、誠実であること、そして感謝を忘れないことなどである。さらにホスピタリティ、尊敬、貢献(学んだことを社会に対して開示し、医療の向上に貢献する)というような広範な共通価値観の上に成り立つのが良い。
接遇はコミュニケーションが大切でもある。相手に最善を尽くす一期一会の精神が基本となると考えている。
接遇は先天的なものでなく、誰でも学習できるものである。私たち一人一人の基本となるエチケットともいえる。
中国の古典(礼記)の言葉にある、’かたち’だけ、または心だけでは接遇とは言えない。スキルを身に付けることは重要である。
しかし、コミュニケーションはその行動そのものは意図的ではなく、自然体でありたいものである。これは医療従事者にとって一般的にいえるものである。心の在り方として、医療の接遇には’茶道の心得’である一期一会の精神が当てはまる。出会いを一生に一度と思い相手に最善を尽くす、日本人に最も適している接遇の原点である。一言でいえば、’おもてなし’の心であり、平静のこころ、自然体で振る舞い、誠意を持ち、また癒しの心遣い、思い遣りの心遣いが基本姿勢である。
まずは気持ちのいい挨拶から始まり、頷き、相槌を打ち、笑顔を見せ、相手とのペーシング、即ち相手の口調、相手の話すスピード、語句の強さまた柔らかさ、堅さ、相手の気持ちが十分に表現されるような言葉遣いにいつも寄り添うようにバックトラッキングをして言い換え、時にオウム返し的なテクニックも必要となる。
積極的な傾聴をしつつ、必要な質問、そして相手を需要、認識を四、相手に必要なことを適切に伝達していく。言語的伝達というのは20%であり、残りの80%は表現・ジェスチャー・表情・笑顔・優しさ・癒し等の非言語的な表出となる。
読者の皆さんへ
ブッダ[釈尊(釈迦)]の言葉、’心理のことば’第10章 145〔原訳・中村元(超訳・白取春彦)〕に”まず自分をととのえよ”とある。”水道をつくる人は苦心して山から川へ水を導く。矢をつくる人は削り磨き矢を矯める。家を作る人は木材を切り、組み合わせ、堅牢な形にする。おまえは何をするのか。まずは自分をととのえよ。身なりをととのえ、心をととのえよ”と。更に第16章2~6には”目的に手が届くまで励め”という’感興のことば'(中村元訳)がある。”励め、努めよ、たゆまず歩め。かつては怠けていたとしても、その過去を悔やむな。すでに立ち上がったのだから、そのまま勧め。ゆめゆめ愚かなことに励んだりしてはならない。目的に達するために努めるように。一心不乱に。その手が届くまで励むように。つまらないものを楽しんだりするな。お前が目指しているものこそ、おまえの真の喜びとなるように。”
以上のブッダの言葉は、私達に力強くいかに生きるべきか、その選択を教える。やはり自分らしく眞劔に生きることが大切なのであろう。心残りの無いように生きることであり、いつも必ず希望をもって自分らしく、自分をととのえて生きたいものである。今を生き、そして生ききる。心残りなく生ききることであろう。自分の在るものを全て出し盡して生きることであろう。そして、私は次の言葉を信じ、このライフ設計では現在は勿論またこれからも毎日のプロフェッショナル・パーソナルライフを懸命に生きていきたい。
“60-70歳は、ただがむしゃらにただがしゃらに働こう。80歳にしてやっとつぼみになり、90歳にして花が咲き男(女)盛りとなる。100歳にして実がなり、種をまく。”そして、それから…
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